Improvisation〜主に俳優向け「即興」とは?演劇の舞台に立つときだけでなく、何かを人前でやろうとする時に多くの人が抱く気恥ずかしさ、それを完全に消したり、抑え込んだりすることはとても難しいことです。むしろ、そういうものとうまく付き合って行くためのスキルとして、インプロヴィゼーションの果たす役割は大きなものがあるのではないかと思っています。俳優や表現者全般に役立つ「インプロ」とは何だろうかということを引き続き考えて行きたいと思います。 |
【最近の活動】 | ||||
※「C.T.T.名古屋事務局」の事務局員として、今年の5月に続いてワークショップのファシリテーターを C.T.T.名古屋事務局について詳しいことがお知りになりたい方は、こちらから。 ※私が単独で企画して開催している「インプロ実験室」ですが、現在しばらくの間お休みを頂いています。
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【即興実験学校について】 | ||||
※AfroWagenが2003年7月に初めてお邪魔したワークショップは、高尾隆(どみんご)さんと中込裕美(ひろみ)さんが運営するユニット「即興実験学校」が東京・池袋で開催していたものでした。 |
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【そもそもの始まり〜インプロについて】 | ||||
※自分はかつて、「すごい自信家」でした。でもそれは、強迫観念に支えられた砂上の楼閣だったのでした。これも劇団時代の話。自動販売機の前のシーンで、暖かいコーンスープを買う中学3年生を見せてねと演出家に言われたときのこと。 ※中3の僕は、ちょうど一番太っていて、女の子には見向きもされなくて、深夜放送のラジオばっかり聞いていて眠くて眠くてしょうがなくて、1時間目から給食までずっと寝ていた、全くもってダメニンゲンの時期でした。稽古場ではただ単に、簡単なシチュエーションを与えられただけなのに、全く関係ないはずなのに、誰にも笑われるはずがないのに、そういう現実の思春期の恥ずかしさと怖れが一気にフラッシュバックして来てしまったのでした。ずっと闘って、すごい勢いで、自信を持って押さえ込んできたはずなのに。その瞬間、舞台にいることがとても怖くなり、そのまま立ち尽くししてしまったのです。 ※で、その時少しだけ感じたのでした。自分のこれまでの芝居も、もしかするとそうやって自分を脅しすかしてなんとか成り立たせてきたものなのではないのか?、と。そうやってキャラクターやら関係やら感情やらといっても、実際に体験してきた記憶をこえるような演技は、いつまでたってもできないのではないかと思うようになったのです。 ※インプロは、「舞台に立つことの恐怖」を肯定するところからスタートします。造らない。飾らない。無理しない。がんばらない。そこから,再出発しようと思ったのです。2003年の夏のことでした。 …と、いうことをこのウェブサイトを開く時に思い返しながら書いたのですが、振り返ってあらためて考えると、ここにも声との関連を見出すことができるなあと思えています。無駄に体力があって、でもそのエネルギーの制御の仕方をまるで知らなくて、「出せるものは全部出す!」なんてつもりで毎回の舞台に向かっていたのは、裏返してみればそういう若さが、演じることやアイディアを出すことに対する恐れや不安を隠していた。その象徴として、自分は「出過ぎる声」によって、本当に豊かなイメージに溢れたシーンを創り出すことから逃げおおせていた。そういう風に演劇を続けて行っても先は無い、とどこかで思ったのではないかと思います。 それほどまでに、初めて即興実験学校に行った時の体験は衝撃的であったのです。まるで大きな声を出さずとも、無駄な緊張を表面に出さずとも、ごくごく簡単に会場の畳の上で、シーンが生まれ続けたわけですから。あの時に自分の背中を流れた冷や汗、ではなく、何か温かい液体のような何ものかの感触は、一生忘れないと思います。(2009.11) |
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【これまで開催した催し】 | ||||
2004.5/1-2 |
2004.10/30 即興実験学校in名古屋vol.2 |
2005.5/28-29 即興実験学校in名古屋vol.3 |
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